脱税とは、不正な手段によって課税を免れる行為をいいます。各租税法は、納税義務者または徴収納付義務者が、偽りその他不正の行為により、課税を免れ、またはその還付を受けると脱税犯が成立すると規定しています(所得税法238条1項、法人税法159条1項、相続税法68条1項、消費税法64条1項等)。
「偽りその他不正な行為」とは、ほ脱の意図をもって、その手段として税の賦課徴収を不能もしくは著しく困難ならしめるようななんらかの偽計その他の工作を行うことをいい、社会通念上不正と認められる行為を意味すると解されています。判例は真実の所得を隠蔽し、それが課税対象となることを回避するため、所得内容をことさら過少に記載した内容虚偽の申告書を提出する行為は、これに当たるとしています。
また、租税犯は故意犯ですので、その成立のためには構成要件に該当する事実の認識が必要です。所得が存在するということについての認識も必要です。
脱税犯が成立した場合の法定刑は直接税および消費税のほ脱については、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又はその併科とされています。